후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 早稲田大学(わせだだいがく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,204자 · 220화면
10
10
十月十八日の夕方――外務省の石垣(その大半は今壊れてしまっているが)にそった椎の並木の下を、星成は散歩するような足どりで往ったり来たりしていた。彼はときどき懐中時計を、帯と袴のあいだからとりだしては考えこんでいたが、四時になって分秒が、かすかに動いたとき、そこからすぐ真下に見える濠に沿った道を、下げ髪に結った女学生らしい少女が、白い支那鞄のような箱を足のあいだにはさんで、俥にゆられながら半蔵門の方から近づいてきた。陽はまだ落ちてはいなかったが、石垣のかげに早くも黄昏の色がちらついている。秋の日暮れがたは街の濁音が空に吸いとられたようにひっそりとしずまりかえって、風の音が心にしみるようである。そのしずけさをやぶって馬車のきしる音がだんだん大きく聞えてきたのである。彼は石垣の上に片足をかけ、右手で手頃な椎の木の幹を抱えた。彼は息を呑み、胸の鼓動をおさえるために唇を噛みしめた。そのとき、――モーニングに山高シャッポをかぶり、蝙蝠傘を左脇にした背の高い紳士が外務省の正門に向って歩いてくる姿が見えた。来たな、と思ったとき、左から来た馬車が流れるように彼の前を横切ろうとしたのである。