후리가나로 읽는 일본 고전
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 早稲田大学(わせだだいがく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,204자 · 220화면
学生たちは門をはさんで狭い道の右と左にわかれた。誰も口をひらくものはなかった。永井は左手を帯のあいだにはさみ、心持ち肩を怒らすような恰好をしながら、興奮のさめたあとで、きょとんと眼を瞠っている学生の列を眺めた。張りのある、ひびきにみちた声が学生たちの頭をかすめて消えてゆく。「諸君の来訪を感謝する、もちろん私も諸君と行を共にすべきであるが、一生の恩誼を蒙る大隈老侯は今病床にあり、しかも病あつしと聞いて一切の言動を避けて蟄居している私の心事を諒解していただきたい」。
早稲田劇場を出て、鶴巻町から下戸塚の坂をのぼるときは永井を詰問しようという考え方において彼等は一致していた。それが、自分から進んで門をひらいて出てきた永井の姿を見た瞬間、学生たちはたちまち、いつも講堂で彼の演説を聴くときの、爽やかな音楽に恍惚とするときのような満足感に堪能してしまった。彼等は永井の誠実と老侯を思う愛情を疑わなかった。
学生たちは黙々として、左へつづく小路の方へ歩きだした。まったく冷静になりきったその列が馬場下の坂を下って、正門の方へ曲ろうとする四つ角にある蕎麦屋の前まで来たときには、人の数もまばらになり、一人ずつ別の方角を目ざして、うす暗い街の方へ消えていった。