후리가나로 읽는 일본 고전
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やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 柳橋物語(やなぎばしものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,300자 · 202화면
彼の名は松造というそうで、古河の近くの旗井というところで百姓をしている。あのときはそっちも水が溢れだし、家はそれほどでもないが田畑にはかなりな被害があった。そのあと始末に手が離せなかったのと、人の評判では江戸はたいした事がないというので、知らせのないのを無事という風に考えて問い合せもしずにいた。それにしても余り信りがないし、こんど千住市場へ荷の契約があって出て来たのを幸い、それを済ませて此処を訪ねたのである。初めてのことでようすがわからず、歩きまわるうちに材木問屋の梶平の店の前へ出た。そこにはかねて勘十から友助という者のいることを聞いていたので、立寄って話をし、思いもかけない妹夫婦の死を知らされたのである。――松造は以上のことを、ぶあいそな調子で語った、語るというよりも不平を述べるという感じであった。
おせんも幸太郎を膝に抱きおろして、あの夜の出来事を記憶するかぎり詳しく話した。死躰のみつからなかったことは捜さなかったためもあるかもしれない、しかし子供を背負った自分でさえ無事なのである、夫婦二人のことだし、洪水といっても堤を欠壊して濁流が押しかかるというようなものではなかったので、万に一つも死んでいるなどとは考えられなかった。