일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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やなぎばしものがたり

柳橋物語

山本 周五郎

山本 周五郎의 柳橋物語(やなぎばしものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,300자 · 202화면

아오조라 문고

それから佐野正の店の者が来て、医者も呼んだらしい、少しおちつくのを待って平右衛門町まで送って呉れたのだそうである。しかしそれらのことはもとより、それからのち半月ばかりの明け昏れは、まったく夢のようで記憶がなかった。その期間はすべて幻視と幻聴で占められていた。なかでも鮮やかなのはあの訴えの声であって、それだけは意識が恢復してからも、一語一語がはっきりと耳に遺っていた。

そういう状態であったから煮炊きも出来なかった。幸太郎の世話だけはするけれども、敷いてやらなければ夜具を出す気もつかず、眠くなると平気でごろ寝をしたという。またそのあいだに松造が二度来たけれども、おせんは気違いのように地だんだを踏み、庄さんに疑われるから帰れと叫んできかなかった。松造は、しかたなしに持って来た物を置き、なお幾らかの銭を預けて帰ったそうである。――こうして前後二十日ほどのあいだ、おもんが起きてすべてをひきうけた、食事はもとより、買い物にもゆき洗濯もした。ゆだんしていると、おせんは夜中にも外へ出るので、おちおち眠ることも出来なかったということだった。

九月になって袷を着てから間もなく、おもんが幸太郎の肌着を洗っていると、おせんがぼんやり近寄って来て、今日はなん日だろうかと訊いた。