후리가나로 읽는 일본 고전
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やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 柳橋物語(やなぎばしものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,300자 · 202화면
町役の人たちが去ってから、彼女はお常にこう訊ねた。
「おばさん、どうしてみんなこの子の名をこう坊って呼ぶんですか」
「それはあんたが初めにそう呼んだからじゃないの」お常は妙な顔をした、「――毎晩のように幸さんってうわ言を云ってたのよ、それであたしもうちのひともこの子の名だろうと思って呼んできたんだわ、そうじゃなかったのかえ」
「ええ違うんです、それは違う人の名なんです、あたしこの子の名は知らないんですもの」
「そんなら人別にそう書いちまったんだからそうして置きな、幸太郎ってちょっとすっきりした男らしい名じゃないの」
おせんは眉をしかめ、頭を振りながらなにか口の内でぶつぶつ呟いていた。いけない、その名を付けてはいけない、その名だけは決して、――だがなぜだろう、どうしてそんなに悪いだろう。その理由はそこまで出ている、もうひと息でそのわけがわかる、おせんはけんめいに思いつめていった、すると頭の中できらきらと美しい光の渦が巻きはじめ、全身の力がぬけるような気持で、赤児を負ったままそこへ倒れてしまった。
――それからまた痴呆のような虚脱状態にもどったので、これはそののちも一種の癖のようになった。