후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면
と片倉隼人は手紙をむすんであった。
文面は以上のとおりであったが、甲斐は後半をざっと読み終るなり、七十郎め、と口の中で呟き、唇を噛んで眼をつむった。
「七十郎のおろか者め、罠にはまったということがわからないのか、それは罠だ、一ノ関の仕掛けた罠だぞ」
こんな簡単なことがわからないのか、今村善太夫、渡辺金兵衛らは、みな一ノ関の意のままに動き、機会さえあれば紛争を起こそうとしている。それは七十郎自身が知っている筈ではないか、他人の場合には「そうか」とわかっても、身内の問題となると見えなくなるのか、と甲斐は心のなかで呼びかけた。
――七十郎に云ってやるか。
と甲斐は思った。
――つまらない意地を張るな、それは命取りになるぞ、その意地の座からおりろ。
甲斐がそう云ってやれば、七十郎は鉾をおさめるかもしれない。まだまにあう、そう云ってやろうか、と考えて、そこで、だめだ、と思った。
――帯刀が関係している。
自分の子が渦中にいる、七十郎はたぶんそれにこだわるだろう、帯刀は古内源太郎や伊東采女のまえに出された。七十郎が意地になっている理由の一つは、二人のまえに帯刀が出されたことにある。