후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면
だが、それを教えることはできない、と玄四郎は思った。おみやがこの兄のために押しつけられた苦労、女として最低のところまで堕とされたうえ、なおその首に繩を掛けられていたような状態を思うと、どんなことがあってもこの兄の手には返したくない、と玄四郎は思うのであった。
「おい、図星だろう」と六郎兵衛はたたみかけて云った、「きさまは正直者らしい、酒井邸からここへ来るまでの、することや云うことを聞いていると、正直で一本気だということがよくわかる、だが、正直であればあるほど、なにか隠したり、嘘をついたりすることは不得手だ、ものの云いよう、声の調子にすぐあらわれる、きさまはみやのいどころを知っている筈だ、そうだろう」
「私は知らない」と玄四郎は静かに云った、「知らないことは事実だが、いどころを知ることはできるかもしれない」
「それが本音だ」
「しかし私にはそれは云えない」
「酌をしてくれ」と六郎兵衛が云った、「酒のあとを頼む、きさまも飲め」
「もうたくさんだ」玄四郎はきっぱりと云った、「私は飲まないし、つきあうだけはつきあった、金は預けておくから独りで飲むがいい、私はこれで帰る」