후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면
「さて、――」と帯刀はたち去りながら宇乃に云った、「あとで頼むぞ」
宇乃ははいと頷いた。
津多女は風呂舎で水浴をする。冬でも夏でも、薙刀を振ったあとは必ず水風呂にはいる。宇乃はその世話をし、それから朝食の膳拵えをした。隠居所にはきまった費用があり、それだけで独立の生活をしている。薪を割ったり米を搗いたり、また飯炊きや走り使いなどは、古くから五助という老僕夫妻がやっていたが、津多女の身のまわりのことは、すべて宇乃の受持になっていた。
――朝食のあとの茶が済むと、津多女の許しを得て、宇乃は館の台所へいった。大きな炉のある広い台所は「料理部屋」と呼ばれているが、それに続いて賄部屋があり、そこでは館に仕える家従たちが、膳を並べて食事をしているところであった。
鮎は洗って笊にあげてあった。よく肥えた、五寸から六寸ほどの、みごとな鮎が十七尾あり、金色をひそめた薄墨色の肌は、まだ生きているかのようにぬめぬめと光を帯びていて、手に取るとさわやかに川水が匂うようであった。下女たち二人が来て手伝い、それらを金串に刺してから、宇乃は炉の火のぐあいを直して、鮎を焙りはじめた。