후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,443자 · 398화면
」
「そう? 何かありまして?」
「メモ用の紙が一枚、机の足のところにおちていたのを、来るとすぐひろいあげて、ぼくに渡してくれたんです。」
「そう? あたし、気がつかなかったわ。」
「その時の様子が、ちっともわざとらしくないんです。自分ではそんなことをしているのをまるで意識していないんじゃないかと思われるほど無表情だったんです。ぼく、それでよけい印象に残りました。」
朝倉夫人は、何度もうなずきながら、
「どうも、そんなたちの人らしいわね。白鳥会でいうと、大沢さんみたいな人ではないかしら。」
「どこかに共通したところがあるかもしれませんね。見た感じは、たしかに似ていますよ。」
「だけど、――」
と、朝倉夫人はしばらく考えてから、
「大沢さんのまじめさとは、ちょっとちがったところがあるようにも思えるわ。もっと自然なまじめさ、といったものが感じられるんではありません?」
「自然なまじめさ――」
次郎は口の中で夫人の言葉をくりかえした。
「こんなふうに言いますと、大沢さんのまじめさは不自然だということになりそうですけれど、それは悪い意味で言っているのじゃありませんの。ただ、大沢さんのまじめさには、いつも意志がはっきり出ていますわね。