일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ざんせつのげんぞう

残雪の幻像

中村 清太郎

中村 清太郎의 残雪の幻像(ざんせつのげんぞう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,801자 · 10화면

아오조라 문고

総説

総説

五月から六月にかけて、高根の雪が解けるにしたがい、山肌が処々に現われて来る。その山肌と雪とで作る斑紋が、見ようでは種々な物の形、例えば動物や人間などの姿に見えるものだ。その形は山肌が雪の中に黒く現わすのと、山肌に囲まれた雪が白く描くのとある。そういう形を山麓の農民は巧みに捕えて、何か身近な物の姿に見立て、昔から年々農事――稲作が主であるが――を始めるための頼りにして来た。それがここに記す幻像であって、民俗学の言葉では雪形と言う。そういうものが雪深い山国には沢山あって、今まで語り継がれているのは誠に意味深いことだ。

いったい農事というものは、豊凶の運命を大部分天候に左右される性質のもので古くから太陰暦に基づいて行われて来たし又それが本筋である。だが文字に書かれた暦はどこにも通用する代り、山間の局地局地には必ずしも的確な頼りとはなり難いうらみがある。そこへ行くと、この雪形はその土地、その年の季節の移り変りを端的に示すものだから、これほど頼りになるものはなかろう。言わば生きた暦である。その指示にしたがって春の農耕を始めたり進めて行けば、まず心安らかに収穫を期待できるというもので、そこに、この幻像発生の原因と意義があり、永い年代に伝承されて来た理由もあるのだ。