일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면

아오조라 문고

兵庫屋へ送られてゆくと、八橋は待ちかねていたように彼を迎えた。手紙に書いてあった恨みや辛みは口へも出さないで、彼女はただ懐かしそうな笑顔で男と向き合っていた。お光の安否などもたずねた。こっちで第一に詮議しようと思っている起請のことも次郎左衛門のことも、容易に彼女の口から出そうもないので、栄之丞の方から催促するように訊いた。

「佐野の大尽はどうして来ない」

「来られた義理でもありんすまい。三月までに請け出すのなんのと嘘ばかり言って……」と、八橋は冷やかに言った。

人の心づくしを仇にして、去年以来とかくに自分から遠退こうとしているらしい栄之丞の不真実が、八橋に取っては恨めしいを通り越して憎く思われた。憎い彼を突き放して、可愛くもない次郎左衛門に身を任せようとしたのも、それがためであった。そうして、起請はつめたい灰にしてしまったが、彼女の胸の底にはそのほとぼりがまだ残っていた。お光の金の一条で栄之丞が偶然訪ねて来たのが口火になって、そのほとぼりはまた煽られた。それと一緒に、次郎左衛門の落ちぶれたことも判った。落ちぶれた二人の男を列べて見くらべた時に、八橋はもう新しく考える余地はなかった。