후리가나로 읽는 일본 고전
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かいなんき
海難記
久生 十蘭
久生 十蘭의 海難記(かいなんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,628자 · 56화면
そこで誰かが、
「檣を倒せ」
と叫んだ。控綱を切ると、檣は将校団の上に倒れかかり、デュポン大尉がその下敷になった。兵隊達は腿を挫いて呻いている大尉を円材の下からひきだして海に投げこんだ。将校達が短銃で威嚇して兵隊を追いはらい、筏の縁綱に縋りついている大尉を救いあげた。兵隊達は肋材の切れっ端やボールトを持って殺到して来、筏の端に俯伏せになっている大尉を撲り殺しにかかった。将校はサーベルをふるって辛うじてその一団を退却させた。
「みな集れ」
「ここへ来い、バラバラになっていると、殺られるぞ」
兵隊達は声々に叫びかわしながら筏の後部に集結した。
将校下士官のブロックは筏の前部に退って一と息入れると、飽くまで攻勢に出ることにきめ下士官達に強圧手段をとるように命令した。下士官達は中央部に残っていた三十名ばかりの兵隊を包囲し刺してはつぎつぎに海に投げこみ、這いあがろうとするものは短銃で射ち、筏に縋りつくものは指を断ちきって海に突きやった。
こんな騒ぎが午前三時ごろまでつづいた。兵隊達は数で圧倒しようとかかったが、武器がなくては勝目がないとさとったので、機会をみてやるにしかじと思い、代表をやって謝罪させた。