일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんやのしちょう

深夜の市長

海野 十三

海野 十三의 深夜の市長(しんやのしちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 109,982자 · 220화면

아오조라 문고

だった。ただ烟突と異るところは、この高塔には方々に窓がついていた。そして見上げると、遥か上の方の窓には、ポーッと薄明りがさしていた。――僕の訪ねてきたのは、とりもなおさず、あの高窓のうちに棲んでいる人物だったのである。あの明り窓の内部には、「深夜の市長」が城東で起った殺人事件の証拠物件を、彼の手紙とともに届けるようにと命じたところの不思議な科学者速水輪太郎が住んでいる筈だった。そして十銭洋酒店「ブレーキ」の悪酒に酔いしれた、妖艶な年増女の二の腕に書きつけて置いた奇怪なる案内図は、いま目の前に聳えたつこの高塔の所在を教えたものに外ならなかった。

僕はもう逡巡するところなく、塔の真下に見える入口へ突進した。扉は軽く押しただけで、ギイと内側へ開いた。

内部は十坪ほどの広さであった。中央部には傾斜の急な螺旋階段がグルグルと上に伸びていた。だから天井の真中が、丁度人間の通るだけの大きさに丸く切りぬいてあった。

階段の下に立って、冷い真鍮の欄干に手をかけながら、垂直に上を仰いでみると、途中は石炭を詰めたように真黒ぐろとしていた。ただ遥かに高いところに、ポーッと丸い輪廓をもった明りが見えるのがきっと速水輪太郎の居るフラットであろう。