후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
葉子は、そんなものに相手はしていられない程、美しく、ちやほやされ過ぎていた。
又、金廻りのいい高級所員や、何処からか嗅ぎつけて来る金持の息子共の歓待の中に忙しく、それと反対的に、自分の過去を知りすぎている黒吉を、邪魔には思っても、いい顔一つしよう訳がなかった。
葉子に、冷遇されればされるほど、黒吉の恋情は、いや増すばかりであった。葉子は執拗く通う黒吉の前で、わざと他の男の膝に乗ってみせびらかしたりなどした。だが、黒吉は、ただ黙って寂しく顔を歪めて笑うきりだった。
心の中は、掻き毟られるように、痛く悲しかったけれど、表べは、ただニヤニヤと笑う恋に弱い黒吉だった。
葉子は、この無反応の黒吉に、却って躍起となって、有頂天になった男共の群の中に、強いてまで身を投げ込んで行くのであった……それは、どうにも、この儘では長いこと続きそうもない、無気味な気配を感じられるのだった。
×
しかし、一度彼が身を機上に托して、大空から飛下りる、その瞬間の幻影の中では、黒吉は、飽くことない愛撫を、葉子に与えることが出来るのだった。
(葉ちゃん、東京に行ったって聞いた時は淋しかったよ)