후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
十一ノ二
(そう、ごめんなさいね……)
(いいんだよ。今はこうして一緒にいられるから、とても嬉しいんだよ)
(そうね、あたしもよ……黒ちゃんに逢いたくて、ここへ来たようね)
(うん、そうなら嬉しいんだけど……)
(でも……でも、由っちゃんに悪いわ)
(何いってんだい、あんな奴――、なんでもないんだよ、ほんとに、ただ遊びに来るだけなんだよ)
(あら、そう、ほんとならいいけど……)
(ほんとだよ――)
(あッ、危い!)
黒吉が、葉子の方に手を差しのべた途端、物凄い音がして、パラシュートが開く、と、その愉しい幻影は、跡形もなく消え失せて、虚空を木の葉のように流れ落ちて行く黒吉……。
それは哀れな現実だった。
ダガ、黒吉は、その「夢」の再生を信じていた。
(何時かは、そうなる――)
と……。
そして、相変らず夜は千鳥の片隅で独りのけもののようにぽつんと腰かけた儘、舐めるように、葉子の全身を見廻し、昼は大空の夢の中に、葉子を、シッカリと抱くのであった。
十一ノ二
この頃は、黒吉は、あの恐ろしい空の冒険を自分から進んで日に二度も三度もやってのけるのだった。そして飛行のない日は、全く気抜けのしたように、研究所の片隅で、松葉杖を抱えたまま、しょんぼりと考え込んでいた。