후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
「……それに、それに俺は碌に字も出来ねえし――雇ってくれるもんなんかない……」
医者が他に廻って行ってしまってからも、黒吉は独りで、ぼそぼそ呟き続けた。
(ダガ。待てよ――)
一体、誰がここに入院させてくれたのだろう。
(団長?――)
でも、親方に、そんな余分な金があろう筈がない、あるならまさか解散はしなかったろう……。
(誰だろう――)
勿論黒吉はその僅かばかりの給料を蓄えてはいなかった、彼は葉子の歓心を買う為に、その殆んど全部を費してしまっていたのだ。
(この親切な人は誰だろう――)
と同時に、
(最初のうち、夢うつつに見た「おんな」の人か――)
と思い当った、でも、それが「誰」であろうか、
(葉ちゃんなら……)
と胸をはずませてみたけれど、第一あの顔は葉子ではなかったようだし、それに、あの浪費家の葉子が、そんな金を持っているはずがないのだ。
しかし、誰か解らないながらも、黒吉はいくらか元気づいて来た。
(俺をかばってくれる人があるんだ……)
と思うと、陰惨な曲馬団に育った彼だけに、とても暖かいものを感ずるのであった。
そして、その人に、心から御礼をいってみたかった。