후리가나로 읽는 일본 고전
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 猟奇の果(りょうきのはて)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 134,971자 · 270화면
「アッ、血だ」
雪江の籐椅子のうしろに廻っていた明智が叫んだ。
見ると、丁度雪江の身体の下の、椅子の底から、真赤な血の滴りが、床に落ちては、はね返っている。床には小さな血の水溜りが出来ていた。
雪江の身体を引起して見ると、案の定、背中の、丁度心臓のうしろに当る箇所に、血まみれの短刀の柄ばかりが見えていた。彼女はその短刀の一突きで絶命したのだ。
「白蝙蝠だ」
短刀の白鞘に刻まれた奇怪な紋章を発見して、明智が呟いた。
「不思議だ。わしが洗面所へ行っていた間は二分か三分です。しかも、書生は、誰もこの部屋に這入ったものはないと云っている。どうして、いつのまに。……」
常右衛門氏は、娘の死を悲しむことも忘れて、賊の余りの早業にあきれるばかりだ。
見張りの書生が呼ばれて這入って来た。
「この部屋へ誰も這入らなかったことは確かだろうな」
「ハア、ドアの方に向って廊下に立っていたのですから、見逃す筈はありません。決して間違いはございません」
書生は室内の激情的な光景を見て、真青になって答えた。
「物音も聞かなかったのだね」
明智が尋ねる。
「ハア、ドアが閉ってましたし、二三間向うから見張っていましたので、何も聞きませんでした」