후리가나로 읽는 일본 고전
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うまれいずるなやみ
生まれいずる悩み
有島 武郎
有島 武郎의 生まれいずる悩み(うまれいずるなやみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 50,587자 · 100화면
なんという美妙な美しい色だ。冬はあすこまで遠のいて行ったのだ。そう思うと、不幸を突き抜けて幸福に出あった人のみが感ずる、あの過去に対する寛大な思い出が、ゆるやかに浜に立つ人の胸に流れこむ。五か月の長い厳冬を牛のように忍耐強く辛抱しぬいた北人の心に、もう少しでひねくれた根性にさえなり兼ねた北人の心に、春の約束がほのぼのと恵み深く響き始める。
朝晩の凍み方はたいして冬と変わりはない。ぬれた金物がべたべたと糊のように指先に粘りつく事は珍しくない。けれども日が高くなると、さすがにどこか寒さにひびがいる。浜べは急に景気づいて、納屋の中からは大釜や締框がかつぎ出され、ホック船やワク船をつとのようにおおうていた蓆が取りのけられ、旅烏といっしょに集まって来た漁夫たちが、綾を織るように雪の解けた砂浜を行き違って目まぐるしい活気を見せ始める。
鱈の漁獲がひとまず終わって、鰊の先駆もまだ群来て来ない。海に出て働く人たちはこの間に少しの間息をつく暇を見いだすのだ。冬の間から一心にねらっていたこの暇に、君はある日朝からふいと家を出る。もちろんふところの中には手慣れたスケッチ帳と一本の鉛筆とを潜まして。