후리가나로 읽는 일본 고전
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 痴人の愛(ちじんのあい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 179,399자 · 353화면
おりおり帰り途などに彼女と往来で遇ったりすると、もうどうしても千束町に育った娘で、カフエエの女給をしていた者とは思えませんでした。髪もその後は桃割れに結ったことは一度もなく、リボンで結んで、その先を編んで、お下げにして垂らしていました。
私は前に「小鳥を飼うような心持」と云いましたっけが、彼女は此方へ引き取られてから顔色などもだんだん健康そうになり、性質も次第に変って来て、ほんとうに快活な、晴れやかな小鳥になったのでした。そしてそのだだッ広いアトリエの一と間は、彼女のためには大きな鳥籠だったのです。五月も暮れて明るい初夏の気候が来る。花壇の花は日増しに伸びて色彩を増して来る。私は会社から、彼女は稽古から、夕方家へ帰って来ると、印度更紗の窓かけを洩れる太陽は、真っ白な壁で塗られた部屋の四方を、いまだにカッキリと昼間のように照らしている。彼女はフランネルの単衣を着て、素足にスリッパを突ッかけて、とんとん床を蹈みながら習って来た唄を歌ったり、私を相手に眼隠しだの鬼ごッこをして遊んだり、そんな時にはアトリエ中をぐるぐると走り廻ってテーブルの上を飛び越えたり、ソオファの下にもぐり込んだり、椅子を引っ繰り覆したり、まだ足らないで梯子段を駆け上がっては、例の桟敷のような屋根裏の廊下を、鼠の如くチョコチョコと往ったり来たり