후리가나로 읽는 일본 고전
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わたしのりれきしょ
私の履歴書
井上 貞治郎
井上 貞治郎의 私の履歴書(わたしのりれきしょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 34,380자 · 69화면
浮草ざんげ
浮草ざんげ
二十歳をこえていた私は、もちろんすでに女の味を知っていた。たしか板問屋の俵松にいたころだったろう。店の若いものがいかにもおもしろそうに女遊びの話をしているのを聞いて、意を決して新町の女郎屋に上がったことがある。初心の私は女の顔をまともに見られないほど照れていた。そして『こんなことがなんでおもしろいのやろ?』と不思議にさえ思ったものである。しかし、そのつぎの夜、もう一度新町へいって『なるほど、ええもんや』と早くも納得して帰ってきた。石炭屋の外交を始めてからは、売込みも取立ても人一倍の働きだったから金の方も多少は回った。で、夜になると仲仕の兼助の手引きで松島へ「浮かれ節」を聞きにいったり、くるわへ繰込んだりするひとかどの通人気どりだった。商売仲間のなかにも一、二の遊び友だちもできた。
私は鳥居商店から山本峰一の店へ移っていたが、遊び仲間の一人が店の金を使い込み、私が自分の店の金で才覚してやったところ、その男はそのまま出奔してしまった。バカをみたのは私だが、仕方なくほかから借金して弁済し、主人にあやまってその店も出た。
これを機会に、ひとつ独立して石炭ブローカーをやってみよう、という気になった。