일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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わたしのりれきしょ

私の履歴書

井上 貞治郎

井上 貞治郎의 私の履歴書(わたしのりれきしょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 34,380자 · 69화면

아오조라 문고

という千トン足らずの、中国人の苦力を運ぶ船に乗込んだのである。船は広東行で九龍で下船し、対岸の香港へははしけで渡るわけだ。船賃はたしか二円で、食事なしである。広大号を選んだ理由は、中国船に乗れば苦力同様パスポートがいらないし、第一船賃がうんと安かったからだ。

乗ってみると、なるほどほとんどが苦力ばかり。日本人もほんの少しはいたが、彼らは西豪州へ真珠貝取りにいく出かせぎ人たちだ。苦力はみんなこうりゃんの大きなパンを持参していたのだが、私はもとより食事の用意がない。真珠貝取りの日本人のしり馬に乗って英人の船長に米と塩をせびり、かろうじて飢をしのいだ。そんなどれい船のような広大号に、はなはだ人相のよくない、五十五、六のはげ頭の日本人が、年ごろの娘を連れて乗っていた。これが人買いの阪大佐太郎だったのである。

二、三日の航海だった。九龍から二十銭のはしけに乗って香港の港につくと、旅館の番頭たちが、旗を立てて、声やかましく客引きにきている。私は人がきのうしろから、まっさきに目にはいった旗の名を大声で呼んだ。

『おい松原旅館。泊まってやるぞ!』

私は大手を振って、ペコペコ頭を下げる番頭をしり目に馬車に乗込んだ。