일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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むし

虫

江戸川 乱歩

江戸川 乱歩의 虫(むし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,053자 · 86화면

아오조라 문고

それが今では、池内光太郎の恋人であろうとも、どうせ彼には出来ない恋なのだから、一目彼女の舞台姿を見て、一寸女々しい気持になるのも、悪くないなと感じたのである。

彼等がK劇場の舞台で、木下芙蓉を見たのは、それから三四日の後であったが、柾木愛造に取っては、誠に幸か不幸か、それは丁度立女形の女優が病気欠勤をして、その持役のサロメを、木下芙蓉が代演している際であった。

二匹の鯛が向き合っている様な形をした、非常に特徴のある大きな目や、鼻の下が人の半分も短くて、その下に、絶えず打震えている、やや上方にまくれ上った、西洋人の様に自在な曲線の唇や、殊にそれが、婉然と微笑んだ時の、忘れ難き魅力に至るまで、その昔の俤をそのまま留めてはいたけれど、十幾年の歳月は、可憐なお下げの小学生を、恐ろしい程豊麗な全き女性に変えてしまったと同時に、その昔の無邪気な天使を、柾木の神様でさえあった聖なる乙女を、いつしか、妖艶比もあらぬ魔女と変じていたのである。

柾木愛造は、輝くばかりの彼女の舞台姿に、最初の程は、恐怖に近い圧迫を感じるばかりであったが、それが驚異となり、憧憬となり、遂に限りなき眷恋と変じて行った。