후리가나로 읽는 일본 고전
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 豊島与志雄童話集(おつきさまのうた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,569자 · 336화면
太郎はびっくりして、強く頭をふりました。
「私にくださいね。どんなお礼でもしますから」
女はポケットから、手にいっぱい銀貨を取り出して、差し出しました。太郎は頭をふりました。女は次に、きらきら光るナイフを差し出しました。次には、金の鎖のついてる万年筆……次には美しい金時計……。
「いやだ、いやだ、いやだ」
そう叫んで、太郎はいきなり立ち上がって、チロをかかえて、逃げ出しました。
一生懸命に走りました。しばらくして、振り返って見ると、あの男と女が、遠く、海岸の上に、馬の手綱をひかえて、まだこちらを見送っています。太郎はまた走りだしました。
うちに帰って、ほっと息をつくと、太郎はチロの頭をなでてやりました。
「だいじょうぶよ、ねえ、チロ……誰が来たって、どんなことがあったって、ぼくはおまえを、よそにやったりなんかしないよ。おまえも、人に盗まれたりなんかしちゃあいけないよ、ねえチロ……」
チロは頭をすりつけて、ニャーオ……と鳴きました。
けれど、誰も、チロを盗みに来る者もなく、たずねてくる者もありませんでした。
それから、三日目の朝不思議なことが起こりました。