후리가나로 읽는 일본 고전
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つげびと
野菊の墓
伊藤 左千夫
伊藤 左千夫의 野菊の墓(つげびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 34,955자 · 71화면
心がけのよいかしこい女といわれているお政は、
「わたしはもうみえも外聞も考えませぬ。たとえあの気違いがどのようなふうをしていようと、気違いですものしかたがありません。どんなになっていても、わたしはただこの世に一日も長く生かしておきたいと思うばかりであります。あの気違いの子がと人さまに笑われても、気違いの子にちがいないのですから、よんどころありません」
とお政が、ことにふれての母に対する述懐はいつでもきまってるが、どうかすると、はじめは平気に笑いながら、気違いのうわさをいうてても、いつのまにか過敏に人のことばなどを気にかけ、涙を目に一ぱいにしたかとみるまに、抱いてたわが子を邪険にかきのけて、おいおい声を立てて泣きだすようなことがあるのである。思いやりのないだれかれは、お政もすこしへんちきだ、子どものふたりもある女が大声たてて泣くのはあたりまえではないなどという。心あるしんせつな人らは気違いになった母よりも、お政のほうがかえってかわいそうだと、とも涙にくれて同情を寄せてる。
お政は、きょう不意にその母がなくなったと聞かせられたのである。あしたは祭礼の日というので朝から家じゅう総がかりで内外の取りかたづけやらふるまいの用意にたてきってる際に、告げ人を受けたのである。