후리가나로 읽는 일본 고전
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つげびと
野菊の墓
伊藤 左千夫
伊藤 左千夫의 野菊の墓(つげびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 34,955자 · 71화면
老獣医
一
一
糟谷獣医は、去年の暮れ押しつまってから、この外手町へ越してきた。入り口は黒板べいの一部を切りあけ、形ばかりという門がまえだ。引きちがいに立てた格子戸二枚は、新しいけれど、いかにも、できの安物らしく立てつけがはなはだ悪い。むかって右手の門柱に看板がかけてある。板も手ごしらえであろう、字ももちろん自分で書いたものらしい、しろうとくさい幼稚な字だ。
「家畜診察所」
とある大字のわきに小さく「病畜入院の求めに応じ候」と書いてある。板の新しいだけ、なおさら安っぽく、尾羽打ち枯らした、糟谷の心のすさみがありありと読まれる。
あがり口の浅い土間にあるげた箱が、門外の往来から見えてる。家はずいぶん古いけれど、根継ぎをしたばかりであるから、ともかくも敷居鴨居の狂いはなさそうだ。
入り口の障子をあけると、二坪ほどな板の間がある。そこが病畜診察所兼薬局らしい。さらに入院家畜の病室でもあろう、犬の箱ねこの箱などが三つ四つ、すみにかさねあげてある。
ほかに六畳の間が二間と台所つき二畳が一間ある。これで家賃が十円とは、おどろくほど家賃も高くなったものだ。それでも他区にくらべると、まだたいへん安いといって、糟谷はよろこんで越してきたのである。