일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

山本 周五郎의 青べか物語(あおべかものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,888자 · 317화면

아오조라 문고

――おめえは徳行にふじという女がいる、その女はおめえの子を産んだ、とおさいは叫んだ。この恥知らず、よくもおんだらを騙したな。

彼にはわけがわからなかった。

――しらばっくれるな、とおさいはかなきり声をあげた。おら自分でその女に会って、その女の口からじかに聞いただ、よくもあんなすべたあまと見替えやがった、もう騙されやしねえぞ。

彼は抗弁した。自分の並み外れたしゃがれ声と訥弁を呪いながら、身に覚えのないことだと証言したが、おさいは聞こうともしなかった。

――聞かね聞かね聞かね、と彼女は指が鉤のように曲った手を振りあげた。おめえの嘘っぱちなんか聞くもんか、さっさと帰れ、もう二度とふたたび来るんじゃないよ。

そしておさいは店の奥へ去った。

これははっきりわかっていることだ。彼は暫く、気のぬけたように立っていた。それから、持って来た土産の包みを、店先へそーっと置いて、そこをたち去った。

彼にそんな女があったかどうか、誰も知らなかった。東湾汽船も、葛西汽船も、徳行町が終点であった。どちらの通船も、浦粕泊りのときと徳行泊りのときがあり、蒸気乗りたちの多くは、遊ぶ場所の揃っている浦粕泊りを好んだが、中には徳行に馴染の女のいる者もないことはなかった。