후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 青べか物語(あおべかものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,888자 · 317화면
とお兼はいかにも意外そうに呼びかけた、「こんなところでなにしてるの、あら、勉強ね」
助なあこは本を閉じ、振り向きもせずに、じっと固くなっていた。彼は全身が火のように熱く、心臓が喉までとびだして来るように感じた。お兼は斜面へおりて来て、彼と並んで草の上に腰をおろした。すると、あま酸っぱいような女の躰臭と、白粉の匂いとが入り混った、なまあたたかい空気が彼を包み、彼は頭がくらくらするように思った。
「もう春もおしまいだねえ」お兼はその言葉の品のよさに自分でうっとりとなりながら云った、「水の流れと人の身はって、はかないもんだわねえ」
陽の傾いた空にはうすい靄があって、根戸川の広い水面は波もなく、まるで眠っているように静かだった。あたためられた土の香や、若草の匂いがあたりに漂ってい、対岸の若い芦の茂みでは、ときどきけたたましく小鳥の騒ぐ声が聞えた。
「けけちかしら」とお兼が云った、「まだけけちにしては早いかしら」
見ると助なあこはふるえていた。蒼く硬ばった顔を俯向け、膝を抱えた両手の指を揉みしだき、下唇を噛みしめながら、躯ぜんたいでふるえていた。お兼はふしぎなよろこびを感じた。