후리가나로 읽는 일본 고전
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 青べか物語(あおべかものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,888자 · 317화면
「しかしゆだんはならない」私はこう私自身を戒めた、「まだ関門が控えているぞ」
そして私は青べかを出航させた。
べか舟は小さい平底舟だから櫓はかけられない、水の浅いところは棹でやり、深いところでは櫂を櫓のように使うのである。私は少年時代に、江ノ島の片瀬川で棹と櫓の使いかたを覚えた。そんなちっぽけなべか舟などは手の内のものだと思ったのであるが、――そして、多くのべか舟はそうであったろうと思うのだが、彼女は他のべか舟ではなく「青べか」であった。彼女には個性があり、強烈な自意識があった。私がならい覚えた技術をフルに動員しても、彼女は頑として服従しない。こちらへやろうとすればあちらへゆき、あちらへ向けようとするとこちらへ向いてしまう。ではあちらでもなくこちらでもなく、好きなほうへ進ませようとすると、ただぐるぐると同じ水面を廻るだけで、どっちへも進まないのであった。
「よしよし」私は櫂を置いて、片手で汗を拭き片手でふなべりを撫でながら云った、「時間はたっぷりあるさ、いそぐ旅ではないからな、まあゆっくりやろう」
こうして私の苦闘が始まった。
私は忍耐づよいほうでは自信があった。