후리가나로 읽는 일본 고전
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かばんらしくないかばん
鞄らしくない鞄
海野 十三
海野 十三의 鞄らしくない鞄(かばんらしくないかばん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,653자 · 73화면
「瀬戸さん。えらいものを下ろして来たな」
「なんじゃろうかなあ、この臭いのは……」
「その鞄の中が怪しいなあ。へんなものが入っているんじゃよ。女の生首かなんかがよ」
「嚇かしっこなしよ」
「鞄から出ている赤い紐な。それは若い女の腰紐じゃぞ。その腰紐が、先が裂けて切れているわ。それにさ、紐の先んところが赤黒く染っているが、血がこびりついているんじゃないのかい」
書記の青木が、とがった口吻から、気味のわるい言葉を次々に吐いた。立合いの衆は、いいあわせたように二三歩後へ下った。
「よおし、何が入っているか、一つ鞄をあけてくれよう」
「よしなよ、気味が悪い。海へ捨てちまいな」
瀬戸の妻君がいった。
「鞄をあけてから捨てても遅くはないだろう。もし紙幣が百万円も入っていてみな、わしらの大損だよ」
「ははは、慾が深いよ、工長さんは……」
その鞄が簡単にあかなかった。鞄の金具がどうかしているらしかった。そのうちにも臭気はいよいよぷんぷんとたまらなく人々の鼻を刺戟したので、立合いの衆は気が短かくなり、とうとう斧を持ち出して、鞄の金具を叩き斬った。
鞄はぱくりと開いた。みんなはわれ勝ちに中をのぞきこんだ。