후리가나로 읽는 일본 고전
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わし
鷲
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 鷲(わし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 144,476자 · 290화면
いや、こんなことはくだくだしく申上げるまでもありませぬ。わたしはその時に初めてお江戸を見物しまして、七日あまり逗留の後に鎌倉へ帰り着きました。それからその寺で足掛け十六年、わたしが二十六の年まで修業を積みまして、生来鈍根の人間もまず一人並の出家になり済ましたのでござります。」
生来鈍根と卑下しているが、彼の人柄といい物の言い振りといい、決して愚かな人物とはみえない。しかも鎌倉の名刹で十六年の修業を積みながら、たとい故郷とはいえ、若い身空でこんな山奥に引籠っているのは、何かの子細がなくてはならないと叔父は想像した。
「それで、唯今ではここにお住居でございますか。再び鎌倉へお戻りにならないのでございますか。」
「当分は戻られますまい。」と、僧は答えた。「ここへ帰って来て丸三年になります。これから三年、五年、十年……。あるいは一生……。鎌倉はおろか、他国の土を踏むことも出来ぬかも知れませぬ。」
「御両親は……。」と、叔父は訊いた。
「父も母もこの世にはおりませぬ。ほかに一人の妹がありましたが、これも世を去りました。」
と、僧は暗然として仏壇をみかえった。
「どなたもお留守のあいだに、お亡くなりになったのでございますか。