후리가나로 읽는 일본 고전
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あじさい
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集
佐藤 春夫
佐藤 春夫의 たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集(あじさい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,277자 · 84화면
(2)
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……いや、あれは、全く見ず知らずの人で、最初ひょっくり舞い込んだ時から妙な患者でした。
初診の時は、どうしても涙がとまらないのだから、どうか泣きやませてもらいたい。いつまでもこれでは「朝顔日記」の深雪のように眼を泣きつぶしてしまいます。もう一月あまりも泣きつづけていますと訴えるので。なるほど眼瞼はすっかりただれて眼やにも多く出ていたから、ともかくもその方の手当をすまして。
それから、「朝顔日記」の作者は医学に無智なために、あんな事も書けたもので、文学としてはあれでもよいのかも知りませんが医学では学理上絶対にただ泣いたという事だけのためには、いくら多く泣いたとしても失明するという事はありません。
もしそういう例が事実に挙げられるとしたら、頻々と泣いている間に、眼にあてた手や眼を拭っていた布のよごれなどについた、いろいろの菌、たとえばモーランアッセンフェルトとかコッホウイークスやインフルエンザ菌などが入って眼疾の誘因となって、そのための自然的な治療作用として涙がそれらの菌を流し出そうと、とめどなく流れ出している間に眼疾がどんどんと進行して、黒目に星のようなものができ、そこから穴があいて眼がつぶれるような場合は無いでもありますまいが、これは泣いたためではなく明かに眼病のための失明です。