후리가나로 읽는 일본 고전
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
若山 牧水의 みなかみ紀行(みなかみきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 102,087자 · 203화면
路の埃は実に夥しいものであった。このあたりの地質が火山性の乾き易い土らしいのに、数日うち続いた日照のあとであるのだ。途中に渡った黄瀬川など、僅に岩から岩の筋目を辿ってちょろちょろと流れているにすぎなかった。そしてその細い流れも底に着いた水垢のため、枯葉の様な色に見えている。鮎の上って来る話を聞いていたので、暫く橋の上に立ってあちこちとその流れを――水垢の色が透くので色づいては見えるが水はよく澄んでいるのだ――見ていたがなかなかその魚のすがすがしい姿などは見えなかった。ぼくぼくと草鞋で踏んで登るその野の路の両側には麦や桑の畑の中に、またはこまごまと茂り合った丈低い雑木林の中に、頬白の鳥がつぎつぎと啼いていた。路の行手にはあらわに晴れた富士山が鹿の子まだらに雪を残してゆったりと聳えていた。
真日中の日蔭とぼしき道ばたに流れ澄みたる井手のせせらぎ
道ばたに埃かむりてほの白く咲く野いばらの香こそ匂へれ
桑の実のしたたるつゆに染まりたる指さきを拭くその広き葉に
埃たつ野なかの道をゆきゆきて聞くはさびしき頬白の鳥
腰から下をほの白く土埃に染めながら、登るともなく登って、この野の中のただ一つの村を包むうす黒い杉の林を見出でた時には、富士は全く眼の前に、愛鷹山はツイ左手に迫って見えた。