후리가나로 읽는 일본 고전
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
若山 牧水의 みなかみ紀行(みなかみきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 102,087자 · 203화면
そしてその畳まった岩襞の間から雲は生れて来るのである。
この雨の日の滝と雲とが、どれほど幼い頃の私を喜ばして呉れたであろう。子供心にも常の日のその自分の眼の前の山は余りにも嶮しく余りにも鋭く感ぜられたに相違ない。眼鼻があかないという気がしていたに相違ない。それが雨の日となると全く山の姿が変ってしまう。襞々から湧いた雲は、平常ただ一面に聳えて居る岩の山を、甚だ奥深いものに見せて呉れた。更らに雲は濃く淡くたなびいて、幾つかに畳まり聳えて居る岩山の尾根の樹木の茂みをそれぞれに浮き立たせて見せて呉れた。そしてそれらの雲よりもなおはっきり白く落ちて居る大小の滝は平常の寂しい山を甚だ賑かにし柔かにして呉れた。その山の雨の日に対する讃美と感謝とからであったろう、私は中学を出る頃まで自ら若山雨山と号していたことを思い出す。そしてなおそれと共に思い出すのは、その山に山桜の花の咲き出す頃の美しさである。
尾鈴からその連山の一つ、七曲峠というに到る岩壁が、ちょうど私の家からは真正面に仰がれた。幾里かに亘って押し聳えた岩山の在りとも見えぬ襞々にほのぼのとして咲きそむる山ざくらの花の淡紅色は、躍り易い少年の心にまったく夢のような美しさで映ったものであった。