후리가나로 읽는 일본 고전
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
林 不忘의 丹下左膳(たんげさぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 340,187자 · 666화면
あいの土山、雨が降る。
上り下りのおつづら馬や
さても見事な手綱染めかえナア
馬子衆のくせか高声に
鈴をたよりにおむろ節
坂は照る照る
すずかは曇る
間の土山、雨が降ウる
はいッ!
シャン、シャン、か――。
暮れ迫る森かげの家を、手裏剣をとぎながら、ひとりうかれ調子の豆太郎の声が、ころがるように筒ぬけてゆく。
唄にあわせて砥石にかけているものらしく、拍子をとって、声に力がはいっている。
ひなびたこころあいを、渋い江戸まえの咽喉で聞かせる、亀背の一寸法師には似あわない、嬉しいうた声であった。
あいの土山、雨がふる
やらずの雨だよ
泊まって行きなよ
主を松かさ
さわれば落ちるよ
ハイ、ハイ……とネ
途切れ途切れに伝わってくる豆太郎の唄ごえがパッタリとやむと暗く濃い春宵のしじまのなかで、老士と弥生は、ほのかに顔を見合ってほほえんだ。
思い出したように老人がいう。
「お呼び立ていたしたはほかでもない」
「は」
と呼吸を呑んで、弥生はこころもち固くなった。
いま、この人なき、夕べの一刻にかれはそも何をいい出そうとしているのか……それが弥生には、この際すくなからず気になるのだった――。
千年を経た松柏のごときこの家のあるじ――。