후리가나로 읽는 일본 고전
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
林 不忘의 丹下左膳(たんげさぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 340,187자 · 666화면
ふいごが鳴る。火がうなる。赤熱の鉄砂が蛍のように飛び散ると、荘厳神のごとき面もちの孫六が、延べ鉄を眼前にかざして刃筋をにらむ……。
それは真に、たましいを削るような三昧不惑の場面であった。
と見るまに。
その幻影は掻き消えて、そこに、弥生の眼には、またほかのまぼろしが浮かぶともなく描かれているのだった。
死に近い孫六である。
かれは、書いている。ほそ長い紙きれに、おどろくべき細字をもって、しきりに筆を走らせているのだが、その字の色はうす赤かった。血のように赤く、また汗のごとくに水っぽいのだ。
それもそのはず!
彼は、みずからの血におのが汗をしぼりこんで、この水火の秘文をしたため遺しているのではないか!
そのうちに、書き終わった孫六は秘文を中断して割文となし、ふるえる手で、乾坤二刃のみにそれぞれに捲きしめている……が、ここまで自分の想描を追って来たとき、弥生はハッ! として眼をまえの得印老士のほうへ返した。
死につつある孫六の顔が、兼光のように見えて来、再びそれが、亡父鉄斎のおもかげに変わりだしたような気がしたからだ。
「弥生どの!」
りんとした得印兼光の声が、鋭く弥生を呼んでいるのだった。