후리가나로 읽는 일본 고전
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集(へいけがに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,094자 · 411화면
その鎮撫をたのむ使者が幾年か前にも明国の都の燕京を出発して、九州の平戸に到着したことがあったが、その当時この眇目の男もその一行に加わって上陸した。しかし彼は他に求むるところがあるので、日本の土を踏むと同時に一行をぬけ出して、まず九州一円をさまよいあるいた。それから海を越えて四国へも渡ったが、彼の求むるものは何処の山にも浦にも見当たらないので、彼はそれからそれへと流れ渡って、中国から堺の浦、浪華の津を経て、ふた月ほど前に初めて都に入り込んだのである。そうして、ここでも根よく毎晩さがし歩いているうちに、彼はきょう測らずもその求むるものを尋ね当てたのであった。
彼の求むるものは一体なんであるか。それは彼自身もあらわには説き明かさなかった。聞いている者には勿論わからなかった。しかも彼が大明の国使の一行をぬけ出して、殆んど気違いのような乞食のような悲惨な生活をして、あらゆる侮辱と艱難を堪え忍んで、異国の空をさまよい続けているという、そのあくまでも根強い執着心から推し量ると、彼の求むるその物が並大抵なものでないらしいことは容易く想像された。
「して、お身は何をたずねられまする。