후리가나로 읽는 일본 고전
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集(へいけがに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,094자 · 411화면
塩冶の追っ手か、自分たちの追っ手かと、三人は胸をおどらせたが、騎馬武者はかれらに気がつかないように通りぬけてしまった。長い夜もやがて明けるかと思う頃に、ふたたび七、八騎の駈けぬけてゆくのを見た。自分たちの身の上に引きくらべて、塩冶の奥方の運命を小坂部はおぼつかなく思いやった。木枯しがだんだん吹きやむと共に東の空もうす明かるくなって来たので、三人は自分たちのあゆんでいる路筋がおぼろげに判って来た。かれらは襞の多い丘の裾を縫って、かなりに大きい山川のふちを辿っているのであった。ゆうべの木枯しのなごりで、幾曲がりする川の流れは堰かれるほどの黒い落葉に埋もれていた。どこやらで鷄の声も遠くきこえた。
「さだめて空腹いことでござろう。わたくしが糧を求めてまいります。そのあいだ、しばらくここに休息なされ。」
男は三人を案内して、丘を少しく登ってゆくと、大きい紅葉が五、六本茂っている間に、赤土をくりぬいた低い横穴が見いだされた。土が崩れ落ちた洞穴ではない、おそらく遠い昔の人がわざわざ作り設けた棲家であろう。入口は一間ぐらいの広さで、奥行きは三間ほどの深さをもっていた。