후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
岸田 国士의 光は影を(ひかりはかげを)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,262자 · 276화면
電話先は、美佐の「抱えられている」芸者屋らしいということが、すぐに彼にもわかつた。話は突嗟には呑みこめぬほど複雑なものだつた。が、ともかく昨日の午後、客に連れられて箱根へ行つたのだが、強羅の登仙閣という旅館から、今日昼近くかゝつた電話によると、昨夜相手の客もまつたく気づかぬうちに催眠薬を多量に飲んだらしく、今朝から医者を呼んで手当を加えたのに、まつたく意識を失つていて、午後一時半、ついに呼吸を引きとつた、というのである。家の者が早速出向いたには出向いたが、遺書の一通が彼宛のものだつたので、取りあえず通知したのだけれども、遺骸はまだその旅館においてあるから、もしお会いになるなら、至急、そちらへおいでを願う、と、その声の主の女はつけ加えた。
谷川の音が耳ちかく聞える旅館の離れの一室に、想像もつかぬ生涯を終つた妹の、いたましい死のすがたを、彼はじつと眺めた。
「兄です。京野等志といゝます。みなさんにたいへんご迷惑をかけました」
そばについている二人の女に、彼は挨拶した。一人は昨日から行動を共にした朋輩の芸者であり、もう一人は、抱え主の松木某というそれらしい中年女である。