일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

岸田 国士의 光は影を(ひかりはかげを)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,262자 · 276화면

아오조라 문고

朝食を運んで来た看護婦に、

「今日は風もなさそうね。あたし、うんとおしやれして散歩に行くの。病人だつていうこと、ちよつとの間でも忘れたいわ」

同室の婦人患者の一人が、横から口を挟んだ。

「長久保さんのおしやれは、どうもほかにわけがありそうだわ。旦那さまが今日あたりいらつしやるんでしよう」

しかし、それにはこたえず、小萩は、内心ギクリとして、眼を窓の方へそむけた。

午前中は、院長の臨時の回診があつたり、患者たちで作つている組合の委員選挙があつたりして、とうとう時間がつぶれてしまい、やつと、昼すぎになつて、自由行動がゆるされた。小萩は、いつも一緒について来る同じ部屋の島内京子をさそつて、外へ出た。

やつと十七になつたという、この敏感な少女は、話相手としてはどこかまだ物足りないところはあつても、節度のある快活さで彼女の気分をつねに引きたてゝくれる得がたい相棒であつた。

「おばさま、今日はとてもすてきだわ。なんの感じかしら……? あゝ、そうだわ、リンドウだわ……」

「あら、たいへんな形容ね。どうしても花をもつて来なければわるいと思つて……。でも、秋、一番おそくまで、山道の枯れかけた草むらの中に咲いている花じやないの」