후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
岸田 国士의 光は影を(ひかりはかげを)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,262자 · 276화면
を眺めているという状態がしばらく続いた、ある日のこと、もう午後の日ざしがヴェランダの硝子戸に黄色い反射を投げるころ、ふと、はるか下のホテルの前で、たつた今停つたバスから五、六人の乗客が降り、そのうちの三人はホテルの中へ吸い込まれたのに、あとの二人は、珍しくそのまゝ、こつちへあがつて来るのが眼にとまつた。洋装の身についた若い男女の一組であつた。このへんのハイキングがもう始まる季節なのかと、彼は、いつ時、腕を腰にあてたまゝ、ぼんやりその二人の姿を眼で追つていた。白く乾いた火山灰の道は、大きく弧を描いて一旦落葉松の林の中にかくれる。そして、やがて緩い斜面に沿つてまつすぐにこつちへ延びているのだが、その男女の人影が彼の視線から外れると、彼は、もうそのことは忘れたように、矢車草やコスモスの種を蒔いてやつと二週間になる待望の花壇の成績をしらべにかゝつた。
「どうかしら? もう芽が出てる?」
と、ヴェランダから小萩が声をかけた。
「さあ、はつきりわからない。どうも雑草と見分けつかないんだよ。やつぱり苗床を作つた方がよかつたかな」
「だから、ハギのいうとおりになさればよかつたのよ。