후리가나로 읽는 일본 고전
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
直木 三十五의 南国太平記(なんごくたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 493,291자 · 991화면
「もう、お帰りな」
と、叫んだ。
「煩いっ、どこまで参る」
襖が開くと、一人の士が、庄吉を、睨みつけて、怒鳴った。番頭が、すぐ、走って来た。庄吉は、廊下へ手をついて
「命ばかりは――おたおた」
と、御叩頭してしまった。部屋の中には、まだ数人の侍がいた。番頭が
「さ、あちらで、旦那、もう、一踊、ここは、貸切りでござりますゆえ」
「おた、おた、おた、逢うたその夜は、しっぽりと、のう、番公」
庄吉は、いきなり、番頭の首をかかえて、頬をなめた。
調所笑左衛門は、年一度の江戸下りのために、五人の供人を連れて、駿府まで来た。二十何年のあいだ、幾十度か往来した街道で、すっかり、慣れてはいたが、もう齢が齢とて、或いは、今度の、江戸行が、この街道筋の見納めになるかも知れぬ、と思うていた。
(もし、自分が、急死でもしたなら?」
調所は、島津家の財源を豊かにした密貿易の責任を、自分一個で負うため、その総ての関係書類を、何時も、手早く、処分はしていた。が、それでも、処分できぬ、最近の分だけは、自分の懐に秘めていた。
(江戸へ着いて、早く、この書類を始末して――)
と、床の間の、手函の中に仕舞った書類入の方へ眼をやって、湯上りの身体を、横にしていると、酔漢を、たしなめている供人の声がした。