후리가나로 읽는 일본 고전
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
直木 三十五의 南国太平記(なんごくたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 493,291자 · 991화면
宿命の渦
では、このまま、黙って――そんなことは出来ない)
綱手は、同じことを、幾度も繰返して考えていたが
(いやいや、これは、自分の気の咎めで、兄は何も知らない、知ろう道理がない)
綱手は、手紙の文字から、紙から、小太郎が、何か知っているだろうかと、それを探し出すように、暫く、眺めていたが
(小太郎は、知りはすまい、知れよう道理がない)
と、思った。そして、その手紙を持って、女中頭へ頼み、鼻薬を使って、一刻だけの暇をもらった。
(兄は、これから何うするのかしら)
そう思うと、汚い着物を着て、手足の不自由な小太郎が、頭の中で描かれた。綱手は、頭の物、着物の類を、下女中に命じて、金に替えさせた。
その中には、綱手の宝物にしている櫛があった。それは、百城月丸からの、恋の贈り物で、今もさしていたのだが、それも、その売物の中へ加えた。それは、小太郎へ、月丸との不義の恋を詫びようとする綱手の、せめてもの心からであった。
綱手は、幾度か、その櫛の油を拭いては、眺めながら、月丸が、その櫛を、京の宿の二階で、自分の頭髪へさしてくれた時のことを想い出した。そして、小太郎に
(これを、売ります。