후리가나로 읽는 일본 고전
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ラマのゆくえ
喇嘛の行衛
国枝 史郎
国枝 史郎의 喇嘛の行衛(ラマのゆくえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,238자 · 21화면
四
「向うに山毛欅の樹が見えましょう。あの樹の下の天幕がキストル老人の一家族じゃ」
そこで探偵のホートンは復舌を出して挨拶をして、山毛欅の樹の方へ歩いて行った。
四
ホートンは少しの躊躇もせず天幕の口の垂布をかかげて内部へスルリと這入り込んだ。信心深かそうな老夫婦が、急拵らえの竃の前で夕飯の仕度をしていたが驚いたように振り返った。そこでホートンは直ぐ云った。
「行き暮れた英国の旅行家です。お宿を願いたいと思いますが」
老人夫婦は目を見合せた。そして暫く無言でいた。其時、天幕の片隅の殆んど暗い一所から、美しい清らかな威厳に充ちた青年の声が聞えて来た。
「泊めてお上げなさいよお父様……ねえ、お母様もいいでしょう……」
すると老夫婦は頷いて好人物らしく微笑した。ホートンは直ぐに獣皮の上へ脚を長々と投げ出して、夫れとなく青年へ目をつけた。しかし折柄陽が暮れて、高原国の常として直ぐ夜の闇が襲って来たので姿形は解らない。老婆は静かに立ち上がって牛酪の皮袋を取り出した。其処から牛酪を一摘み出して灯皿の中へ大事そうに入れて羊毛の燈心を差しくべて燧金から夫れへ火を移した。幽な灯影に照らされた薄ら明るい天幕の中には、一杯に獣皮が敷き詰めてあった。