후리가나로 읽는 일본 고전
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
野村 胡堂의 奇談クラブ(全)(しんきだんクラブ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,139자 · 208화면
「己れッ」
「解った、もう宜い」
振りもぎろうとする左馬之助の身体は、有無を言わせず向島の土堤へ送り出されます。予期したように、お金はそれっきり南条左馬之助の長屋へは帰りませんでした。
半年前に、祝言の日取まで決った許嫁のお雪を奪われた左馬之助は、今度は恋人とも妾とも、生命のように愛した蛇使いの娘を奪われてしまったのです。
左馬之助は其の儘床を敷かせて、熱病やみのように唸りました。相手は三代御恩のお主には相違ありませんが、何んとしても此の憤懣は解けそうもありません。
併し、身分の違いは、何うすることも出来なかったのです。今ではもう殿様の愛妾になりすまして居るお雪は勿論、今日奪われたばかりのお金を取り戻す方法の無いことは言うまでもなく、仕返しをすることも、恥を雪ぐことも出来ない苦しい立場に置かれてしまったのでした。
こんな時、武士の採る道はたった一つしかありません。
左馬之助は起ち上って、組頭宛の一書を認めました。入口の襖をピシリと締め切って、座に返ると、着換えもせずに、其の儘肌を押し脱ぎます。
余計な仕度をして、邪魔が入るのを惧れたのでしょう。手文庫の中から匕首を取り出して、懐紙をキリキリと巻き、暫らく下腹を撫で乍ら、それでも躾みの瞑目に神気を落ち付けます。