일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

野村 胡堂의 奇談クラブ(全)(しんきだんクラブ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,139자 · 208화면

아오조라 문고

「…………」

今度ははっきり人の気配を感じます。

と、娘の敏感さで、一瞬の間に眼が水の如く冴えて、異常な亢奮に、胸の鼓動が高鳴ります。

「誰?」

片肱を枕に突いて、物音のした方を屹と見ると、有明の絹行灯――少し丁子が溜って薄暗くなった蔭、政信の描いた二枚折屏風から、一人の色若衆が脱け出して、畳に片手を突いたなり首を少し傾げて、凝っと此方を見詰めて居るのでした。

「あッ」

桜子の声は喉のうちに消えて、軽い戦慄が、スーッと身体を走ります。

眼を外そうとしましたが、それも叶いません。瞳は若衆に吸い付けられて、厭応無しに、睫毛の一本一本、着物の模様の一つ一つまでも、読ませられてしまいます。

そのうちに、政信の絵から脱け出したのではなく、政信の描いた若衆よりも、もっと艶麗な、もっと活々した美少年が、二枚折の蔭から半身を出して、桜子の寝姿を、いとも惚々と眺めて居るのだということが判然わかりました。

藤色の大振袖、曙色にぼかした精巧の袴を着けて、前半に短か刀を一本、顔は、その頃の寺小姓や色子の風俗で、薄化粧をほどこし、笹色の口紅まで差して居りますが、頭は不思議に引っ詰めた一束の下げ髪、こればかりは、全体の派手な調子と相応しません。