후리가나로 읽는 일본 고전
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ちぎりきぬ
契りきぬ
山本 周五郎
山本 周五郎의 契りきぬ(ちぎりきぬ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 32,757자 · 66화면
一の二
またいずれにしてもこんなみじめな境涯に堕ちるとすれば、いっそ母には死んで貰ったほうがよかったかもしれない。
こうなったのは自分の罪ではない。どうしてもやむを得ない事情だったのだ。けれどもこれからさきは自分の問題だ。
おなつはこう思った。そういう世界へはいってしまえばもうおしまいだという。それが世間一般の通念である。だが自分はそう簡単に諦めはしないと思った。好んで堕ちたのではない、ぬきさしならぬわけがあって、そのほかに手段がなくて堕ちて来たのである。だからこんどはこっちの番だと思った。――宗田という家名もなくなり親もきょうだいもない、ばあいによれば命を捨ててもいいのである。おなつはそう覚悟をきめていた。
一の二
三十七八軒ある娼家の中でも、『みよし』のおてつという女あるじは肚のひろい暢気な性分で、そんな稼業によくある、女たちをむりに働かせるとか、客からあこぎに絞るなどということがなく、家も大きく部屋の数も多く、酒さかなも吟味するというふうで、「みよしは後家の極楽だ」などといわれていた。おなつにはすぐに客がついた。縹緻もよかったが、育ちが違うのでどこかひと眼をひくらしい。