후리가나로 읽는 일본 고전
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
石川 欣一의 山を思う(やまをおもう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 79,814자 · 157화면
しゝとは羚羊のことである。今は禁猟になっているが、昔は自由に猟することが出来た。冬深い雪の中で、あらゆる危険を冒して猟したものである。
もう一週間になるが不猟で、三頭しか取れない。その晩、疲れ果てゝ帰って来た四人の一人が、小舎に残して行った財布が見えないといって、留守番をしていた男を責める。男も負けてはいない。誰かほかの奴が盗んだのかも知れぬという。濛々たる煙の中で、雪やけの顔を焼酎で醜くした五人が、口角泡をとばして口論する。里にいる女の話まで出て、まるで獣物みたいにつかみ合う者さえある。その内に財布を失った男が、ある一人の荷物を勝手にさがすと、財布が出て来る。見つけた男、見つけられた男、疑られた男三人が物すごい勢で山鉈を取り上げ、とめに入った男の右手から血がほとばしった刹那、雪崩が落ちて来て、四人までが梁に圧される。一人残った男は財布の持主で、梁の下から出た手が握っている財布をひきむしるが、彼もまた二度目に落ちて来た雪崩でやられてしまう。
この小説を実際書く場合が来れば僕は先ず第一にこれが純然たる小説であることを明瞭にことわるだろう。何故かといえば、数年前しゝ撃ちの猟師が棒小屋沢で雪崩にやられたことがあり、何等かの思い違いで僕がそのことを書いたと思う人があると困るからである。