후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかげのまち
幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選
松本 泰
松本 泰의 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選(ひかげのまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,797자 · 107화면
私はそっと部屋の外へ出て、階段の上から下を覗いた。寸時歇んでいた跫音がまた聞えてきた。怪しい物音に釣込まれて、私は怖々ながら一番下の廊下まで下りた。跫音は確に老人の居間から起った。老人の居間の扉の上のガラス戸に室内の電灯が明るく映っていた。夜前の雇婆さんの話によると老人は身体の工合が悪くて臥ている筈である。それを斯うした遅い時間に、而も歩行の不自由な※疾者が起きて歩いているとすれば啻事でない。
「盗賊かな、それとも医者かな」私は念の為に老人の居間を検めて見ようと思ったが、この家に雇われた時の約束を思出して躊躇した。それっきり、跫音も咳もパッタリ歇んでしまったので、思返して部屋へ戻って、毛布の中へ潜込んでしまった。
六
翌日は朝から陰鬱な雨が降っている。雇婆さんが朝飯を食卓に乗せて私の寝室へ運んできた。
「旦那様はまだお加減が悪いので、食堂へはおでになりませんから、貴殿はここで召上って下さい」
「そんなに悪いのですか。昨夜は遅くまで起きていらっしったようですが、医者でも来ていたのですか」
「医者などは来る筈はありません。御主人は医者が酷くお嫌いなのです。