일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひかげのまち

幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選

松本 泰

松本 泰의 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選(ひかげのまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,797자 · 107화면

아오조라 문고

「いかん、いかん、君は何だってことわりもなく儂の部屋へ入るのだ。どのような用件があろう共、儂の許可なくして断じてこの部屋へ入る事は出来ないという規則ではないか」老人は苦りきっている。

私はその時、老人が卓の抽出しに隠したものを目敏く見付けた。それは燃えるように真赤な緋房ではないか。サボイ旅館の食堂で令嬢の持っていたものが、その晩殺人事件のあった現場に墜ちており、それを拾って帰った私は破れ靴を穿いた乞食老爺の靴の裏に踏かくされてしまった。その緋房がどういう理由でガスケル氏の手許にあるのであろう。

老人は不興気な様子で、探るように私の眼を凝視ていたが、じき穏かになった。老人の態度が異様であっただけに、私はその謎の緋房に就いて、一層疑惑の念を高めた。

私はそれから三十分後に、ボンド街Xギャラリーへ入っていった。妍爛目を奪うような展覧会の、奥まった三号室へ入ったとき、一番最初に目についたのは「歓の泉」と題する柏の絵画であった。それは柏の所謂「愛の杯」から其儘抜出してきたような彼女が白衣の軽羅を纏って、日ざしの明るい森を背にして睡蓮の咲く池畔に立っている妖艶な姿であった。