후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかげのまち
幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選
松本 泰
松本 泰의 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選(ひかげのまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,797자 · 107화면
被害者の身許も知れず、又犯人の手掛りもつかないのですが、この運転手が当夜自動車へ乗せたという婦人に嫌疑がかかっているのです。ところが今日、この運転手はボンド街の展覧会から出てきたこの方を見て尾行けて来たのです。私がここへ来ましたのは、ストランドの辻から自動車で遁げた婦人とこの方と、どういう関係があるのか、それをお訊ねする為です」と警官は割合に叮嚀にいった。運転手は顔の寸の短ったいっこくらしい男である。彼は警官が柏に説明している間も、猜疑深い調子で、じろじろと私を睨廻していた。
「私は芝居の帰りに偶然出会った若い婦人が、何か頻りに帰途を急いでおられ、お困りの様子でしたから、タクシーを呼んであげた計りです。名前も知りませんし、無論何処へ帰ったのかも知りません」私は運転手などを相手にせず、警官に向って最初の言葉を開いた。
「婦人を自動車に乗せてから、貴殿が運転手に行先をいったそうではありませんか」
「ピムリコまでと運転手に命じました。それは、婦人が私にいったからです」
柏は話の経緯が了解ないので、不思議そうに吾々三人の顔を見較べていた。運転手は掴みかかるような権幕で、私の前へ躍出した。